確定申告のための領収書の整理方法

紙で受け取った領収書は紙のまま、メールやダウンロードで受け取った領収書は電子データのまま保存し、月別フォルダと帳簿で「日付・取引先・金額」をそろえておくのが基本です。保存期間は、白色申告なら領収書などの書類が5年、青色申告なら領収書などの現金預金取引等関係書類が原則7年です。

2026年10月18日 確認

要点

  • 所得税の確定申告の期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。
  • 白色申告は帳簿7年・領収書などの書類5年。青色申告は帳簿と領収書など7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下なら領収書などは5年)、請求書・見積書など5年です。
  • メールやダウンロードで受け取った領収書は電子データのまま保存します。2024年1月1日以後の電子取引は、印刷した書面での保存に代えられません。
  • データは「日付・金額・取引先」で探せるようにします。国税庁はファイル名で対応する方法も示しています。

月別フォルダとファイル名で整理する手順

  1. 1

    年・月のフォルダを作る

    「経費/2026」の中に「2026-01」から「2026-12」までのフォルダを作ります。紙の領収書も同じ区切りで、月ごとの封筒やクリアファイルにまとめます。

  2. 2

    ファイル名の順序を決める

    国税庁の例にならい、日付・取引先・金額を決まった順序で入れます。例:20260304_株式会社サンプル商店_3300.pdf(架空の例)。日付を先頭にすると名前順がそのまま日付順になります。

  3. 3

    受け取った年のうちに保存する

    メールの添付PDFやサイトからダウンロードした領収書は、受け取った月のフォルダに保存して名前を付けます。国税庁の一問一答では、サイトからダウンロードできる領収書もその年分のうちにダウンロードして保存する必要があるとしています(一定の要件を満たすECサイトは例外あり)。

  4. 4

    帳簿に1行ずつ記録する

    日付・取引先・内容・勘定科目・金額・支払方法・ファイル名を帳簿に記録します。ファイル名の列があると、帳簿からすぐに証憑を探せます。

  5. 5

    月に1回照合する

    カードの利用明細や通帳と帳簿を照らし合わせ、足りない領収書や私用の支出に印を付けます。

確定申告の時期と帳簿

所得税の確定申告は1月1日から12月31日までの1年間の所得について行い、申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです(タックスアンサーNo.2020)。

事業所得・不動産所得・山林所得がある人は、白色申告でも記帳と帳簿・書類の保存が必要です。帳簿には取引の年月日、売上先・仕入先などの相手方の名称、金額などを記載し、日々の合計金額をまとめて記載するなどの簡易な方法も認められています(No.2080)。

青色申告は正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)による記帳が原則ですが、現金出納帳や経費帳などの帳簿を備えて簡易な記帳をするだけでもよいとされています(No.2070)。

帳簿書類の保存期間

国税庁の「暮らしの税情報」(令和8年度版)による保存期間は下の表のとおりです。

なお、消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等や、適格請求書発行事業者として交付した適格請求書の写しなどは、上記にかかわらず7年間保存する必要があります。

区分保存が必要なもの保存期間
青色申告帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、経費帳、固定資産台帳など)7年
青色申告決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など)7年
青色申告現金預金取引等関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など)7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の方は5年)
青色申告その他の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)5年
白色申告収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)7年
白色申告任意帳簿、決算に関して作成した棚卸表その他の書類5年
白色申告業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類5年

メールやダウンロードで受け取った領収書(電子取引)

電子帳簿保存法では、注文書・契約書・領収書・請求書などに相当するデータをメール添付、ウェブサイトからのダウンロード、クラウドサービスなどでやり取りすることを「電子取引」といい、そのデータを電子のまま保存する必要があります(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問1・問2)。2024年1月1日以後に行う電子取引は、データを印刷した書面での保存に代えることは認められていません。

国税庁のリーフレットは、原則的な保存のルールを3つにまとめています。①改ざん防止のための措置(タイムスタンプ付きデータの受領や付与、訂正・削除の履歴が残るシステムでの授受・保存、事務処理規程の策定・運用・備付けのいずれか)、②ディスプレイやプリンタ等の備付け、③「日付・金額・取引先」で検索できること(あわせて、日付または金額の範囲指定と2つの要素の組み合わせで検索できるか、税務調査等の際にダウンロードの求めに応じられること)です。

基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下の人などは、ダウンロードの求めに応じられるようにしていれば③の検索要件は不要です。また、原則のルールに対応できなかったことに相当の理由があり、ダウンロードの求めと印刷した書面の提示・提出の求めに応じられる場合は、データを保存しておくだけでよいとする猶予措置もあります。

国税庁は、事務処理規程のサンプル(個人事業者の例)や索引簿の作成例も公開しています。

ファイル名で検索要件に対応する国税庁の例

一問一答【電子取引関係】問50は、専用システムがない場合の方法として、表計算ソフトで日付・金額・取引先の一覧表(索引簿)を作る方法と、ファイル名で対応する方法を示しています。

ファイル名の方法は、税務職員のダウンロードの求めに応じられるようにしたうえで、ファイル名に「取引年月日その他の日付」「取引金額」「取引先」を含め、統一した順序で入力しておくものです。例として、2021年1月31日付の株式会社霞商店からの110,000円の請求書データを「20210131_㈱霞商店_110000」とする形が挙げられています。日付は和暦でも西暦でもよいものの、どちらかに統一する必要があります。

取引先ごとにフォルダを分け、ファイル名に日付と金額を入れる方法でも、日付・金額・取引先を条件に検索できれば要件を満たすとされています。金額は帳簿の処理方法(税抜・税込)に合わせるのが基本ですが、データに記載された金額でも差し支えないとされています(問57)。

ご自身の保存方法で要件を満たせるかどうかは、事業の状況によって変わります。判断に迷う場合は税理士に確認してください。

帳簿(スプレッドシート)の列の例

帳簿の列をファイル名と同じ「日付・取引先・金額」でそろえておくと、帳簿からも証憑からも同じ情報でたどれます。

  • 日付
  • 取引先
  • 内容
  • 勘定科目
  • 金額(税込か税抜かを統一)
  • 消費税の税率区分
  • 登録番号(適格請求書の場合)
  • 支払方法(現金、カード名と下4桁など)
  • 証憑の形式(紙・電子)
  • ファイル名
  • 備考(返金、私用分など)

紙の領収書の扱い

紙で受け取った領収書は紙のまま保存するのが基本です。スキャナ保存は、一定の要件の下で、書面による保存に代えてスキャンした画像で保存することを認める制度です(電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問1)。要件を満たしていないスキャンの場合は、元の書類を紙のまま保存することになります。

原本とは別にスマートフォンで撮影して月別フォルダに入れておくと、探すときに役立ちます。ただし、その画像は要件を満たさない限り原本の代わりにはなりません。

海外サービスの請求書

ドル建てなどの請求書は、円換算額とカード明細の円額がずれます。換算の考え方と記帳の列は「海外サービスの請求書を円に換算する方法」にまとめています。

Paidwhere

月別フォルダと台帳づくりを自動化するには

近日公開予定のデスクトップアプリPaidwhereは、指定したInboxフォルダ(有料プランではダウンロードフォルダも)に入った請求書PDFや領収書の写真を読み取り、「日付_取引先_金額」の形式に名前を変えて年・月のフォルダ(2026/2026-03)に整理し、台帳に追加します。ファイル名には取引年月日・取引先・金額が入ります(例:2026-09-01_Amazon-Web-Services_9.30USD.pdf)が、これで検索要件を満たすかどうかはご自身の状況によるため、税理士にご確認ください。

有料プランでは台帳をExcel・CSVで書き出せるほか、前月分の領収書と台帳CSVを1つのZIPにまとめた税理士向けの月次パックも作れます。

よくある質問

メールで届いたPDFの領収書を印刷して保存すればよいですか。
2024年1月1日以後に行う電子取引については、データを印刷した書面での保存に代えることは認められていません(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】)。PDFなどのデータのまま、要件に沿って保存してください。
ファイル名だけで検索要件を満たせますか。
国税庁の一問一答では、ダウンロードの求めに応じられるようにしたうえで、ファイル名に取引年月日その他の日付・取引金額・取引先を統一した順序で入れておけば、検索機能の確保の要件を満たすと考えられるとしています。売上高の基準などによっては検索要件自体が不要な場合もあります。ご自身の状況で足りるかどうかは税理士に確認してください。
ECサイトの領収書は必ずダウンロードが必要ですか。
一問一答の問45では、ECサイト上で領収書データをいつでも確認できる状態であれば、必ずしもダウンロードして保存しなくても差し支えないとしています。ただし、ECサイト側が保存の要件を満たしていることと、保存期間が終わるまでサイト上で確認できることが前提です。条件がはっきりしない場合は、その年のうちにダウンロードして保存しておくと確実です。
紙の領収書をスキャンしたら捨ててもよいですか。
スキャナ保存の要件を満たしている場合に限り、書面による保存に代えることができます。要件を満たさないスキャンでは、原本を紙のまま保存する必要があります。要件の詳細は国税庁の電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】を確認するか、税理士に相談してください。
領収書は何年保存すればよいですか。
白色申告では領収書などの書類が5年、帳簿が7年です。青色申告では帳簿と、領収書などの現金預金取引等関係書類が7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下なら領収書などは5年)、請求書・見積書などその他の書類が5年です。消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書等は7年です。

参照した公式情報

以下の公式ページと照らし合わせて確認した内容です。メニュー名は変わることがあるので、画面が違う場合は元のページをご確認ください。

関連ガイド